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錬金術の基礎知識・すべては辰砂あってこそ■辰砂結晶の写真 10:09
辰砂結晶
鶏冠石

<錬金術の基礎知識> 
なにごとであれ馴れない領域には基礎知識が不可欠だ。
錬金術は「賢者の石」という超触媒を使えば鉛・銅などを金に変換できるとする神秘思想的なアイデアで、
エリアーデによれば、ここには発酵の原理が応用されている。
鉛・銅は未熟な卑金属で金は金属が成熟した姿だ。
大地に眠るこれら卑金属は神のパワーによって発酵を促進される。
大地のパワーは女神信仰以来の伝統で赤い色をしていて、辰砂に凝集されている。
だから人工的に辰砂の巨大結晶を作って卑金属に作用させれば、発酵が促進されて金がえられる。
そこで辰砂の原料である硫黄と水銀が重視された。
錬金術のかなめは現代科学と違って、実験者に神・創造主と同じような知能と人格が要求された点にある。
人間も卑金属と同じように未熟な存在なので、「賢者の石」を触媒として用いれば超人に変身できる。
こうして錬丹術が発展し、古代中国では完成した人間は不老不死であるとされ、
大人(たいじん)とか真人(しんじん)とよばれた。
不老長生をめざす錬丹術(いまふうにはアンチエイジング・テクノロジ−)は
インドではアユルヴェーダやシッダ医学、古代中国では漢方のもっとも内奥にある。


<錬金術の基礎知識> 
不老不死の薬物「辰砂」には大別すれば以下の用途がある。
[1]辰砂は水銀と硫黄の化合物だから硫化水銀ともよび、ここから水銀を分離できる。
水銀にはアマルガムといって他の金属と混合しやすい性質がある。
これを利用して採集した金の精度を高められるし、銅製品などを金メッキできる。
[2]辰砂は滅菌作用が高い。遺体にまぶせば腐敗を遅らせることができる。
赤を大地のパワーの色とする呪術と滅菌作用が重なって、古墳時代にはもがりにつかわれたり、
棺 (ひつぎ)に敷いたりした。
[3]辰砂の赤は辟邪(へきじゃ・魔除け)の色、運気増強の色とされ、神聖視された。
辰砂を漆で溶いた塗料・朱漆は神聖な場所をいろどり、宗教儀式の器の塗装に用いられた。
[4]鉱物の辰砂は水に溶けない不溶性なので摂取しても毒性は少ないとされる。
漢方・アユルヴェーダでは、あまたある石薬のなかで最高とされている。
前述したように錬金術・錬丹術では最高無二の秘薬だった。
[5]辰砂は貴重な鉱物で金と同じように貯蓄され、
貨幣代わりに使われた。財産価値の高い鉱物だった。
辰砂は西洋史、東洋史においてともに重要な鉱物であり、
ことに精神の発達史を研究するうえで無視できない。
(写真は上が中国産辰砂結晶、下が錬金術のもうひとつの秘薬・鶏冠石・リアルガー。
辰砂は辰州で採れるからこの名がついたと解説されているが、
筋としては逆で龍のパワーの砂が採れるから辰州とよばれるるようになったのだろう)
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続・謹賀新年2014 ■姫川薬石の写真 12:19
姫川薬石日々是好日
姫川薬石
写真は健康にいい姫川薬石。近日発売予定。
姫川薬石は日本翡翠と同じ産地、新潟・富山県の県境地方の
海岸や姫川流域で採集できる流紋岩という火山岩の一種。
ミネラル成分の溶出効果や遠赤外線効果、
天然放射線の輻射によるホルミシス効果によって新陳代謝を高める薬石として有名です。
浴槽に沈めて温泉効果を高めたり、
ポットに入れて水道水のミネラル成分の改善をはかったり、
小さな原石はワインや醤油の味わいを高めるなどの活用法があります。


注*放射線は危ないのではという疑問をおもちの方へ。
玉川温泉、三朝温泉など天然ラジウム温泉は湯治客でにぎわっています。
これらの温泉地方に住むとガンになりやすいとか、
湯治に行くと病気になるというデータはありません。
とてもたくさんの人が天然ラジウムの治癒効果を認めているからこそ、
温泉はにぎわっています。
薬物療法第一主義の現代医学では物理療法の研究は遅れがちです。
医学がこぞって天然放射線や遠赤外線に注目するということは
期待できそうにありませんが、
人工放射線と天然放射線は性質が違うという意見があります。


 
続・謹賀新年  お題:ひすい
今年はショップへおいでませ
ひたはしる電車にのっておいでませ
ひすいすいしょうこきまぜて
目の楽しみとなりにけるかも
(注:ひたはしるは電車の枕詞)


今年はショップへおいでませ。
たくさんの石たちがあって、水晶や翡翠、石たちの「気」をあびると、
ほっとためいき気分、とても元気になれます。
なにをするにもパソコンやスマホが第一。
さっぱり歩き回らなくなってしまったけれど、
たまには物見遊山(ものみうさん)も楽しいものです
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鶏血石を握っていると仙人に近付ける ■鶏血石印材の写真 16:32
鶏血石印材
うちにはたくさんの印材のコレクションがある。
錬金術・練丹術関連への興味がひとつ、中国の古代的な意匠への興味がひとつ、
加えて天然石全般への興味の拡張として中国各地の印材を集めた。

印材は翡翠製品同様ピンからキリまで鼠と象ほどの開きがある。
関連図書には参考価格として一点数十万円、ときに百万円を越す品々が並ぶ。
自分のコレクションはとてもそんなふうにはいかない。
石の見た目や性質がわかればいい、パワーを招く動植物の図柄がわかればいい、
という程度のコレクションなので、マニアックなコレクターから見れば児戯にひとしいが、
集めれば枯れ木も山のにぎわいで、けっこうな量になる。 

その後、興味の主眼は日本翡翠に移り、加えてあれやこれやの出来事があって、
香港・広州からも遠のいて、中国産の印材は未整理のまま放置されることになった。
 
これらの石たちを一度整理しなくてはと思っていた矢先、
お客さんから鶏血石についての問い合わせがあって、
ともかくもひとおりは確認しようとあちこちの箱から出して、ひとところに集めた。
 
鶏血石はおもには葉蝋石という黒や灰色の鉱物に、
ドキッとするほど鮮烈な血をこぼしたり、降りかけたり、まぶしたりしたような石をいう。

(眺めているとほんとうにドキッとするほどの鮮やかさと激しさに打たれてしまう)。

ナイフで削れる程度に柔らかく、適度な保湿性もあるので、印材として重宝されてきた。
古代から中世にかけて中国の好事家たちの文具への美意識には並外れたものがあって、
印材ひとつ選ぶにも三国一の美女を娶るような情熱を傾けたりした。
 
前述したように、うちの印材コレクションは高価なものではない。
けれどボール箱から出して保養油を塗り、互いに競い合うように並べると、
鶏血石はどれもが一斉に眠りから覚める。
 
鶏の鮮血に例えられるこの赤は辰砂の色で、絵の具ではヴァミリオンに相当する。
とても古い時代から大地のパワーの結晶と称えられてきた赤である。
 
古代史がらみで緑の翡翠を話題にすると、つい赤の辰砂がおろそかになってしまうが、
人類は大地にふたつのパワーを認めてきた。
生命を育てるパワーは木々の繁茂に見られる緑色のパワーであり、
魂を賦活させるパワーは赤い色をしているとでもいえばいいのだろうか。
それが証拠に、流血はパワーが宿っている間は鮮やかな色をしていて、
パワーが気化すると濁って死んだ色に変わってしまう。

たとえば古代中国では肉体の防腐を願って王の遺体に濃緑色の軟玉翡翠で作った玉衣を着せた。
日本や中国だけではない、世界各地の古代文明で、
魂が死後も活力を失わないよう墓に大量の辰砂を入れたり、遺骨を辰砂でまぶしたりした。
辰砂は仙人が羽化登仙するための仙薬の最重要な原料だった。
 
現代人であるわれわれは、死ねばそれっきりと思っている。
転生や霊界の実在を信じるという人たちだって、
おおかたの人は死後のことなど知っちゃいないというふうに暮らしている。
けれど古代の人たちにとって、死後によりよく再生するというのは切実な問題で、
辰砂は人間としての完成を導くに欠かせなかった。
鶏血石には珍しい印材というよりもはるかに重要な意味があった。
 
いつか錬金術・練丹術と意識の変容、霊的完成といったことを話題にすることがあるだろう。
鶏血石の辰砂と同じ物質の巨大な結晶を人工的に合成することが錬金術師たちの最終目標であり、
それは「賢者の石」と呼ばれた。
「賢者の石」は卑金属の発酵をうながして金に変換できたし、
「賢者の石」を合成する過程で錬金術師の意識は変容し、神に等しくなれた。
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真夏の缶コーヒーの一気飲み■琥珀(アンバー)の写真 17:40
琥珀カエル彫刻
ヒマラヤ産琥珀

コロンビア産琥珀(アンバー)のカエル彫刻と、
ヒマラヤ産琥珀原石。
ときおりネットでは大小のカエルをカエルの親子
とコメントしてあるけれど、
子供のカエルはオタマジャクシといいます。


次の金曜と土曜日、7月30−31日は、
西荻窪のショップ《ザ・ストーンズ・バザール》を営業します。
開店時間は午後1時から8時まで。
ご不便をおかけしていますが、よろしくお願いします。



真夏の楽しみは缶コーヒーの一気飲み。まるで甘露のようだと感涙しそうになる。
お酒を飲む人に比べたら、なんと経済的なことよと苦笑いしてしまう。
 
予定の新著『宮沢賢治と天然石』(仮題)は目下ラストスパート。
初稿のゲラを返送して、琥珀の写真が前著『癒しの宝石たち』に使用したのと
同じアイテムであることを発見、新たに撮影しに山の家に行った。
 
ゴルフボール大のうつくしく磨かれた琥珀がふたつ在ったはずだと、
プレハブ倉庫に入って熱気に釜湯でになりながら探した。
ストックボックスを次から次へと開けていくのだが、いっかな見つからない。
 
背中は汗でカエルとなって首筋などは海辺の軟体動物。
そのとき忽然とカエルを彫った琥珀があったことを思い出した。
そいつはいつでも取り出せるよう家のなかの標本ケースに鎮座していた。
 
絞れば水がこぼれるようなTシャツを脱いでシャワーを浴びる。
エアコンをきかせた二階の仕事部屋から窓越しに外を見ると、
壁となってそびえる緑の斜面はいくらか植生が違ってはいても、
バリ島にいるような気分になる。
 
宮沢賢治は山野を歩くことが好きな人だった。
黄昏ともなると空は琥珀色に染まる。
それを私たちは「琥珀の空」とか「琥珀色の夕暮れ」と比喩するが、
賢治の場合はさっさかと意識が変性した状態に入っていって、
ある種のトリップ状態。
本当に自分が琥珀のなかにいるのだと実感した。
そしてこれはほんとうに本当のことです。と書いた。
 
そういうのが今度の本のテーマになっている。
賢治を変性意識の視点からとらえた人はこれまでいなかったはずなので、
自分としては相当に新しい試みと思っているが、
天然石にパワーを感じるのが世間的には奇異な行為であるように、
意識の拡大とか変性というテーマは、
世の大部分の人にとってはちんぷんかんぷんなことなので、
さほど話題にならずに終わるだろうと思っている。
 
なぜこんなにもマイナーな道を選んでしまったのかと時折は考える。
それでも野たれ死にせずに暮らしてこれたことを不思議に思う。
たぶん、きっと、気質だけは賢治に負けず劣らずに強情だったのだろう。

◆宮沢賢治の琥珀・「マグノリアの木」から
霧がにわかにゆれました。
そして諒安はそらいっぱいにきんきん光って漂う
琥珀の分子のようなものを見ました。
それはさっと琥珀から黄金に変わり、
また新鮮な緑にうつってまるで雨よりもしげく降ってくるのでした。
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「天然石ブレスレット」全ページを更新しました■黒と赤の派手なブレスの写真 15:11
オニックスと琥珀のブレス

ブラックオニックス10ミリ玉と赤い琥珀のブレスレット。
夏なんだからとにかく派手にしようと作ったうちの一品。
黒い衣服に合わせると意外とシックと想像しています。
眺めていると、ヨーロッパの古いホテルで盛装して夕食するカップルが
浮かび上がってくるような。


 「天然石ブレスレット」を確認するにはここをクリック 


雨風(あまかぜ)が吹いて一粒二粒の雨滴が眼鏡に止まる。
いまにもほんぶりになりそうな天気のなか、
所用があって駅前のショッピングセンターまで自転車で往復した。
 
靴屋の前で足が止まったのだけれど素足にサンダルでは試すこともままならずとパスして、
シャツ工房というYシャツの安売り屋で先日購入したのと同じシャツをもう一枚買ってきた。
どうにか雨には濡れずにすんだ。
 
湿気が強く息苦しくてうっとおしい日々がつづいている。
錬金術師が硫酸ガスをためたフラスコの底で窒息しかけているバシリスク(トカゲ)
の気分になってしまうが、列島の草や木たち、稲にもこの季節の雨や湿気は
必要なんだと思うと、まあ、しかたがないかと思っていられる
(ぼくにはトカゲだった時代とカエルだった前世の記憶があるような)。

なにごとであれ、人はネガティブなことを過大に評価しがちで、
いまのネガティブさが永遠につづくと、つい思ってしまいがち
になるというのがこのブログの変わらぬ主張。

もうすぐ、からっと晴れた猛暑の夏がくる、それからあっというまに秋になって、
空気も凍る冬になると思えば、梅雨の多湿もどこやらいとおしくなってくる。
 
仕事も対人関係も健康問題も同じで、ネガティブな要素を重要視しすぎると、
底無しのネガティブ・スパイラルに落ちこんでいく。
苦悩が上積みされて滲みでてくる上澄みのなかで
心配と不安が結晶していくということになりかねない。
不健康さやら邪気への心配も無視+アルファ程度というのがちょうどいいのでは?
 
閑話休題。ショッピングページでは「ブレスレット/天然石ブレスレット」
ページがどうにか形が整いました。
3、4年来ずーっと気にはなっていたのですが、
日本翡翠製品の開発やら賢治問題にかかりっきりで手が回りかねていました。
 
まずは、以下のように区分けして、おもだった製品を並び換え、新製品を追加しました。

[1]水晶&スモーキークォーツ
[2]アメシスト&シトリン
[3]ルチルクォーツ&ガーデンクォーツ
[4]ローズクォーツ、インカローズとピンク色の天然石
[5]アゲート(メノウ)、ガーネットと赤色天然石
[6]ラピスラズリ、ターコイスと青色天然石
[7]ヒスイと緑色の天然石
[8]フローライト、ラブラドライト、トルマリン
[9]ムーンストーン、アンバー(琥珀)、真珠
[10]金香玉、タイガーアイ、いろいろな天然石
 
時間ができたときにコメントをチェックして、
不備の訂正、新規分の入力ということになっていくのですが、
ガウディの建築物のように終わりのない作業になりそうです。
 
今は昔、あるところにとっても身体の大きな蛇がおったそうな。
その身体の長いことといったら、こっちの山に頭があって、
胴体は一つ山越え、二つ山越えしてもつづくという按配じゃった。
三つ山越え、四つ山越えしても終わりがなかった。
さらに五つ山越え、六つ山越え……。

という世界で一番長い話に、ホームページの制作は似ていなくもない。
これもまたほどほどでいいということなんだろう。

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ストーンズ・バザールからのスモールギフト 23:20
スモールギフト

次の金曜・土曜日、7月9−10日はショップを開店します。
営業時間は午後1時から8時まで。
お立ち寄りくださいますようお待ちしています。

 
眠る前に『生命・最初の30億年』(アンドルー・H・ノール、斉藤隆央訳、紀伊国屋書店、2005)
という本を読んでいる。
5、6年、または10年ほど前まで、原初の生命は熱帯の干潟の濃いミネラルの
スープのなかで誕生したといわれていた。
それが近ごろでは、海底火山の噴出口のあたり、通常の細菌などとても生息できない熱くて暗い、
過酷な環境で誕生したようだといわれている。
彗星の尾に乗って飛来したという学者もいる。
 
自己複製する能力はDNA様のものよりRNA(リボ核酸)様のもののほうが
誕生は先だったらしい。このあたりのことは化学&生物学的な基礎知識が欠けていて
簡潔に説明できない。
 
自分なりに一番の不思議は、DNAにしろRNAにしろ、
1個の生命として自立するためにどうやって個体を外界から仕切る細胞膜を
獲得したかにあって、科学でもこの問題は解明されていないようだ。
 
地球は動物植物が暮らす星で進化の頂点に人間がいると、
文明国に暮らすほとんどの人たちは信じている。
 
けれど本当は全然そうじゃない。30億年前も今も、地球は微生物たちのもので、
微生物が地球を自分たちが暮らしやすいようにテラフォーミングしてきた。
動植物はそのおこぼれにあずかって暮らしているようなものだということが、
シアノバクテリアなど石になった微生物たちのことを考えると、わかるような気分になる。
 
昨夜はこの本のせいで、自己複製する岩石を探すという夢にとり憑かれた。
みえない円周上に120度づつ別れて浮かぶ3つの小石があって、
それが頭のスクリーンの右や左からいったりきたりした。
自己複製する岩を探すというテーマがあまりにしつこく繰り返されるので、
ついには目が覚めてしまった。
 
やむなく起きて雨に濡れた夜明けの風景を見た。
コンクリートのアパートの5階の窓から見渡す風景は、
旅先の惑星で見た景色のようでもあった。
 

上の写真はこの話とは全然関係がなくて、当社からお客さまへのスモールギフトの数々。
ショップでのお買い物や通販でのご注文時に、合計金額で5千円以上、1万円以上、
3万円以上と区分して、ささやかなスモールギフトをさしあげています。
この3日間ほど、パーツの在庫整理をして、
「星に願いを届けるストラップ」や超縁起のいい「五色玉ストラップ」
を新たに制作、スモールギフトに加えることにしました。
で、まずはご報告といったところです。
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店舗再開と役行者とレインボー・クリスタル■レインボークリスタルの写真 18:16
レインボー・クリスタル

レインボー・クリスタルは写真より実物のほうが断然いい。
チロチロとほのめくレインボーは実物でしか堪能できない。
半年あまりたくさんの製品を見比べて、一番生きのいいのを
求めてきました。


3ヶ月間あまり店を閉めていて皆様にはご迷惑をおかけしました。
『宮沢賢治と天然石』(仮題)という新著の原稿書きもどうにか目処がたちました。
7−8月は毎週・金曜と土曜日は店を開けることにしました。
7月2−3日は営業します。
営業時間は午後1時から8時まで。
お近くへおこしの折にはお立ち寄りください。
 

役行者(えんのぎょうじゃ)の墓参りに行った。とはいっても夢の話。
場所は吉野のような山奥のまた山奥。桜のようなそれでいて
桜や桃ではない薄桃色の花が全山に咲きこぼれて桃源郷のようだった。

墓のある民家風の神社に着くと、宮司は知っている人だった。
家の裏の奥まった一角に背丈よりも大きな石碑があって、それが役行者の本物の墓だった。
石碑の基壇は雨雪で濡れていた。雨雪を手でぬぐって、ていねいにお参りした。
たぶん明け方にいくらか寒かったのだろう。
 
昨日紹介したインド産のレインボー・クリスタルは、
デカン高原のアジャンタやエローラといった日本人にも馴染み深い石窟寺院遺跡の
近くで採掘されるという。
 
これらの遺跡の探訪はゲートウエイの町、オーランガバートからの
日帰りツアーがたいがいのコース。
 
かれこれ30年ほど前、お金はなくても時間はたっぷりあって、
人生に必要なことは全部道端で学んでいた時代の話。
ぼくは当地を訪ねてアジャンタに1泊、エローラには1週間いた。

旅行にはなるべくたくさんを限りある時間のなかで見てやろうとするのと、
同じ場所に何日かとどまるのとふたとおりのやり方がある。
同じ場所へ何度も足を運べばその都度新しい発見がある。
土地の「気」のようなものに身体がなじむことで、見えないものも見えるようになってくる。
前者の旅行の仕方は立体テレビのなかを駆け抜けるのに似ていると思えなくもない。
 
そんなわけで仏教遺跡で有名なアジャンタでは、
河の岸辺の断崖にうがった洞窟遺跡を反対側の岸辺から眺める時間もあった。
獣道よりいくらかましな程度の山道を歩き回って、
洞窟遺跡群よりもさらに上流へ向かっていたときのこと、
山道の両側にズラリと水晶が露頭した箇所に行きあたった。
ポイントは全部折られていて持ち帰れそうなものなど残っていなかったが、
数メートルつづく水晶の露頭は感動的な眺めだった。
 
当時のエローラは遺跡群から5、6分離れた場所に
簡素なバンガローが一軒あるきりの土地だった。
1週間もいればバンガローの従業員はもとより遺跡の門番や
露店の人たちとみんな顔見知りになる。
露店の煙草売りの兄イからこぶし大のアメシスト原石をもらった記憶がある。
このあたりの河ではメノウ玉が採集できる。
大きめの梅干し大のものを割ると内部にはびっしりと水晶がはえていたりする。
 
そういう土地でレインボー・クリスタルが採れると聞くと、ついつい行ってみたくなるのだが、
石ヤ仲間の噂では、いまでは産地に世界中からミネラル・ハンターが押し寄せて
大変なことになっているらしい。
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レインボークリスタル原石を掲載しました■レインボークリスタルの写真 15:29
レインボークリスタル
レインボークリスタル
レインボークリスタル


これまで見たうちでは最高のレインボー・クリスタル(クォーツ)を見つけてきました。
奈良県で採れたレインボーガーネットにもいくらか似たレインボーが垂面のあちこちで、
チロチロと燃える虹の炎のようにほのめきます。
 
けれど写真でイリデッセンス効果をお見せしようとすると
ご覧のように画面が暗くなってしまいます。
原石はまるで白いコンペイトウのように清楚で愛らしいのに残念無念。
フィンガークォーツ状に発達したレインボークリスタルはとくに珍品です。


 「今月の新製品」レインボー・クリスタルを見る 


「今月の新製品」にインド産レインボークリスタル原石を11点掲載しました。
始めてこの原石を見掛けたのは1年ほど前。
けれどそれはかろうじてイリデッセンス効果があるといった程度の原石で、
さほど感動的なものではありませんでした。
価格も納得が行かないほど高価でした。
それからいろいろなディーラーのところで見掛けるようになって、
今回の品がピカイチ! これはもう買わなくちゃと仕入れてきました。

「水晶その他の透明宝石中の、多数に分布する小さな割れ目に7色の色彩が
現れることがある。これはごく薄い裂け目状の割れ面(俗にカンという)に
生じた光の干渉の現象であるが、この虹色効果が宝石全体に現れ、
それが宝石の美しさを引き立てるとき、その効果をイリデッセンスという。
アイリス・クォーツ(虹水晶)がその代表的なものである。」

と、『山の結晶・水晶の鉱物学』(秋月瑞彦、裳華房、1993)という本には
イリデッセンスの説明があって、
同書にはアメシストのヒーティングについて以下のように述べられています。

[1](アメシストの)色の変化は300度Cくらいでは灰色がかった紫色になり、
室温にもどすと再びもとの紫色になる。400度Cではほぼ完全に脱色するが、
これにガンマー線を照射すると、再び紫水晶にもどる。
しかし色調は必ずしも元のものと同じではない。

[2]濃い紫色のときには、500〜600度Cで加熱して室温にもどすと、
黄色、黄褐色または赤褐色になる。紫色が薄いときは、淡黄色の水晶になる。
不純物として含まれている鉄(Fe)が酸化鉄(Fe2 O3)となり、
水晶中に分散するためと考えられている。
シトリン(黄水晶)では、このような状態になっているようである。

[3]さらに淡黄色の水晶を高温に加熱してから室温にもどすと、
黄色は消えて乳白色の濁った水晶になり、
オパールのような遊色がちらちらと見えるようになる。
もともと無色透明な水晶や煙水晶では、このような現象は全く見られない。

[4]紫水晶の加熱による色の変化は、産地によってかなり違っている。
その多くは500〜600度Cの加熱で黄色になっても、無色透明になることはない。
しかし、マダガスカル産のものは無色になり、黄色にはならない。

[5]ブラジルのある紫水晶は510度Cで黄色にならずに緑色に変化する。
ところがこれを水蒸気圧の下で550度Cに加熱すると、無色に変る。
加熱で黄色になった水晶にX線を照射すると、紫色にもどる。
そのとき元よりいっそう濃い紫色になるものもあるが、
紫色にならずに煙水晶に変わるものもある。p100
 
こうした記述を参考にするとインド産レインボー・クリスタルは[3]のようにして、
大地の奥のほうでマグマなどによる地熱の影響でアメシストが色抜けしたもののようです。
参考になるようにブラジル産のコレクター向けアメシスト原石も6点、
加えて鍾乳石状に発達した水晶 「スタラクタイトクォーツ」も4点、
いっしょに掲載しました。
3種類を揃えておけば、レインボークリスタルについてはもうプロ顔負けといった雰囲気です。

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HPでは「新着・夏ブレス」を掲載しました■まっ赤な琥珀のブレスの写真 13:29
赤い琥珀のブレス

ショッピングページに「夏ブレス」を20点ほど掲載しました。
「夏」という言葉が美しくて、「夏ブレス」はとびっきりの製品のように聞こえると、
悦にいっているのはぼくだけではないはず。夏には夏であることが嬉しい。
写真は目がさめるほどのあでやかなまっ赤な琥珀のブレス。
夏ブレスをつけて、背筋を伸ばして、足幅を大きく、さっそうと歩くと
女も男も、とても美しく見えます。

7−8月は、毎週金曜・土曜には店を開けることにしました。
午後1時から8時までの営業を予定しています。
ショップ閉店中はたくさんの方にご迷惑をおかけしました。


 「夏ブレス」を見るにはここをクリック。 


空は乳白色の輝きのうちにある。
丘陵は濃緑色の巌となって押し黙っている。
東南アジアのクニにいるかのように蒸し暑い。
 
冬には凍った夜空を見て夏がほんとうに来るのだろうかといぶかしむ。
古代の感性は未来を想像することが苦手だった。
現代人のように季節の移ろいに無頓着ではなかった。
彼らは力の衰えた太陽に、なんとしででも頑張ってもらいたい、
元気な姿で再生してほしいと願った。そうして太陽を祭る呪術が生まれた。

自分のうちの古代をみると、こうした気持ちがよくわかる。
季節は確実に巡ってくることが当たり前とは思えずに嬉しいことがらに変わる。
雨期がきちんと始まると、自分もまた季節とともに生きていることを喜ばしく思う。
 
数年前から日本の雨期は3、4日と小雨が降りつづく梅雨をやめて、
東南アジアのモンスーン・タイプに変わったようなところがある。
雨は降るのか降らないのか、出かける日に空を眺めても、見当をつけられなくなっている。
 
ベランダではプランターの下にアリが巣を構えた。
プランターを持ち上げるとゴマ粒ほどのアリが白い卵をかかえて右往左往した。
人類のDNAのどこかには集ってうごめく虫に嫌悪する遺伝情報が刻印さえているかのようだ。
なんだかやたらと不気味な感じがして殺虫スプレーをかけた。
 
そうやって生命を思った。20億年ほど前のシアノバクテリア(藍藻)以降ずーっと、
あらゆる生命は「ひたすらに繁殖しろ!」というDNAの意図に従っているだけ。
ひょんなことから人類に自我が生じて、ここにおいてはじめて生命に価値が生じた。
この仕組みはどんなに驚いたり不思議がっても十分ということはない。
 
きょうのブログはとりとめがない。
HPのショッピングページでは「夏ブレス」をアップして、
次には「天然石ブレスレット」の再構成を企てている。
何年も前から、もっとわかりやすいように整理しなくてはと考えていたが、
ついつい後回しにしてきた。
どうにかやっと手直しできる時間ができたということらしい。

「天然石ブレスレット」と「小型天珠付きブレスレット(ジーブレス)」の再構成が終わったら、
日本翡翠勾玉などの新製品を注文しなくてはと思いつつ、日が経っていく。

追記:シアノバクテリアは藍藻と書くと、水草の一種のように思えるが、
眼には見えないほどに小さな細菌。細胞核のない古いタイプで光合成を行う。
彼らの登場で地球には酸素が増えることになった。
シアノバクテリアのなかには群れてネバネバした粘液を出すタイプがいて、
彼らの遺骸が積もり積もってストロマトライト(ストーン・マット石)という岩ができた。
シアノバクテリアはさして進化することなく現代まで生存していて、
そこらの水溜まりや水道管のなかに生息している。
 
彼らの働きによって酸素が増えた海中では、水に溶けていた鉄イオンが酸化され、
積もり積って鉄鉱床のもととなった。
微生物が地球を変えていく。微生物が岩を作る。
めがくらむほどに不思議なことと思っている。


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このところのショッピングページときたら■ルチル結晶の写真 12:27
ルチル結晶

「鉱物祭り特選品」では「サンルチル・太陽ルチル」にまぎれていますが、
これは入手できる機会の少ない「ルチル結晶」。
写真ではわかりにくいのですが、赤味のある金属光沢をしていて、
ルチル(酸化チタン)の和名・金紅石はここに由来しています。
針入り水晶のなかのルチルからは想像もつかないような姿です。


このところのショッピングページときたら、
指示する側の自分が追いついていけない、全体を把握できないほどの進行ぶり。
有能なオペレーターを発掘できて本当によかったと思いつつ、
ついついホームページの更新を後回しにしたがる自分を何とかしなくてはと考えています。

(身体はひとつしかないんだし、人類の20万年、平安時代以降の千年間に比べたら
2、3週間の時差は許されるかも、などどウソぶきつつ)。
 
以下はここ半月ほどの間のショッピングページの更新・移動のまとめです。

[1]「鉱物祭り特選品」
「鉱物祭り特選品」は当社直営店の休業中のお客さまサービスとして続行しています。
 
サンルチルを11点、パイライト原石を4点、
ベルベット・マラカイトを12点、インカローズ母岩付き結晶を9点、
ダイオプティース結晶を9点、タンジェリンクォーツを8点、
母岩付きジルコンを2点 新たに追加しました。
 
緑のダイオプティースや母岩付きジルコンは珍しい品。
原石は大地の不思議さや地球の営みの偉大さ、摩訶不思議さに私たちを連れて行ってくれます。
そこには絶えることのない驚きがあって、精神世界的には驚く気持ちこそが、
いつも新鮮でいられる秘訣となっています。

[2]「今月の新製品」
いまとなっては製品を手にすることも難しいルチルクォーツ・ポイントを2点、
色味が美しくて頬ずりしたくなるローズクォーツ・ポイントを2点、
ルチルなどの特選品を集めた父の日に贈るブレスレットを7種類、
丸玉を作る原石不足で探しても見つけにくい水晶宝珠を4点、
ついうっかりと掲載しわすれていたヒマラヤ水晶吉祥勾玉を1点、
ショップのストックルームから発掘した天然石グイノミを2点、
それぞれ掲載しました。

[3]ショッピングページの新設と製品の移動など
「水晶原石」に「黒水晶&茶水晶」というページを新設しました。

黒水晶には2種類あって地殻の天然放射線の影響で水晶が茶水晶に変わり、
真っ黒になったものと、最初から芯の芯まで黒水晶として誕生するものとがあるそうです。
山東省の黒水晶は後者に属しているとのことです。

「水晶原石」に「水晶マニア」を新設して、スーパーセブン、
ホワイト・エレスチャル、ローズクォーツ結晶などをまとめました。
たくさんの製品をどのように分類していくかが一苦労で、
これでだいぶ納まりがよくなったと思っています。
近日中に「水晶原石稀少品」を取捨選別して、ここにまとめる所存です。

「勾玉/特製勾玉」は「いろいろな勾玉」に名称を変更しました。

「今月の新製品」にあった水晶大珠などは大珠に移動しました。

「ブレスレット/天眼ブレスレット」は「目的別ブレスレット」と
近日中にタイトルを変更する予定でいます。

[4]「これまでの更新記録を見る」
トップページには「とにかくお勧め・スーパーアイテム」「特別すごい・一点もの」 
「新製品更新情報」とあって、「新製品更新情報」の下に小さく
「これまでの新製品更新記録を見る」と出ています。
ここをクリックしてくださると、
これまでの更新記録を日記形式で見られるようになっています。

">">「鉱物祭り特選品」を見るにはここをクリック 
">「今月の新製品」を見るにはここをクリック 
| 新着製品&鉱物 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by YK
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