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気について気掛かりなことのまとめ・その3 10:43
ネフライト・キャッツアイ
3月24日掲載分のつづきです。<気になる話>は天然石をかいして
パワーの世界に触れるのに役立つ知識です。

<気になる話・7> 
仏教は紀元前500年前後に生まれ、大乗仏教から密教へと変化していくにつれて、
思想的にはインド古来からの土着的信仰であるタントリズムに近付いていった。
タントリズムの宇宙観は精製されてサーンキヤ思想にまとめられた。
そこでは宇宙は物質原理(プラクリティ)と精神原理(プルシャ)に分けられ、
物質原理の基本的要素、陽・陰・動のバランスに乱れが生じることで
意識を含めての物質的宇宙が展開していく。
陰陽の濃度の違いによって最初に〈地・水・火・風・空〉の5元素が生じる。
通常元素と訳されるが、これら5つは「気」であり、パワー要素と解釈したほうがわかりやすい。
はしょっていえば、人間側の意識がカルマゆえの思い込みにいたがって五元素と関係することで、
織り布に模様が浮かぶように、物質世界が開きだされてくる。
この模様を現実世界と思い、それに囚われてしまう、
自分で自分を縛ってしまうことで物質世界が展開していく。
現実世界はパワー(気)の織物だと気付くことが、仏教やヒンドゥーの最重要の課題となっている。
写真はロシア産ネフライト・タンブル、小さな鶏卵ほどの大きさ。得がたいほどに美しいキャッツアイ。


<気になる話・8> 
古代中国とインドで非物質的なパワー(気)の世界からどのようにして
物質的な現実世界が開きだされてくるかを眺めてきた。
古代日本ではどうであったも眺めておきたい。
ここでは日本の古代をどこに置くかが大きな問題になる。
個人的には天智・天武・持統天皇あたりで君主制が確立され、中世的な社会になったと考えている。
私たちが触れることのできる日本神話は彼らが亡くなったあと、奈良時代に整理整頓された。
官僚たちが編纂する仕事にあたり、その多くは新規渡来人の子弟で、弥生・古墳時代の感性に昏かった。
たとえば明治時代に洋行して西欧かぶれした日本人とか、
雇われの西欧人学者が室町・平安時代の歴史書を書くようなものだった。
だから『古事記』も『日本書紀』も奈良時代の大陸文明かぶれした感性や価値観で書かれた
古代史ということになる。古代を考えるというとき、考古学の資料や文化人類学のデータなどを参考に、
なるべくなら奈良時代目線というフィルターを外すよう努めなくてはならない。


<気になる話・9> 
スピリチュアルな神秘的世界、つまりはパワー(気)の世界から「気」が凝集することで
物質化された現実世界がはじまると、おおかたの神話では語られている。
日本神話では『古事記』を例にとると、天地がはじめて分かれたときに、
陽の気が凝集して天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)など3柱の神が顕現することで世界がはじまる。
彼らは陰陽の交合なしに生まれたひとり神、霊気だけの存在で実体がない。
つぎに神世七代といわれる神々が誕生し、男神イザナキと女神イザナミの代になって日本列島が形成される。
国生みは地形や事物を言葉で説明することで認識し、
名前をつけることで物質世界が実体化してくる過程をあらわしている。
イザナミが産んだ最初の子供・ヒルコは未熟児のように思われているが、
パワーから物質への転換が未分化な状態の表現。
女がさきに男を誘ったから出産に失敗したとの言い訳は、奈良時代の役人たちの感性、
つまり大陸&朝鮮半島的家父長的感性による日本神話の解釈だ。
人間と直接かかわりのある祖先神、氏神のはじまりは、
イザナキの子供であるアマテラスやスサノウあたり以降のこととなる。
| クリスタル・ヒーリング | comments(0) | trackbacks(0) | posted by YK
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