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子天狗は寺子屋で天狗の術を学ぶという  10:40
ピクチャーストーン丸玉
<天狗の話> 
神霊界には天使種という肩甲骨が翼へと特殊化した一種族がいて世界各地に亜種がいる。
西欧の天使が代表例で、彼らは多神教における神々の役割を一神教のもとではたしている。
もとは創造主の軍団で武勇の誉れ高い種族だったが、ギリシャ神話のキューピッド、
それも幼児姿のそれと習合することで可愛くなっていった。
われらが天狗は中国大陸からの外来種のようだが、列島において固有種といってもいいほどの進化をとげた。
天狗には二階級あって、鼻が長かったり鳶(トビ)顔をしているのは大天狗。
烏(カラス)天狗は大天狗の使いはしりをする小天狗という。
赤色長大鼻は日本神話の猿田彦命や伎楽面の影響があるとか。
鳶は里山の覇者のごとくに振るまう。上空を舞う姿は優美で、
獲物を認めるや情け容赦なく息の根をとめる。
その姿が物の化(モノノケ)の怖さとむすびついて天狗になった。
修験道の開祖役行者(えんのぎょうじゃ)に天狗を重ね見るようになって
天狗は修験者を装うようになった。
通常天狗は父子家庭で、養子縁組した息子を育てる。


<天狗の話> 
山の家の近くに年老いた画家がひとり暮らししている。
彼はパジャマにシルクのガウンという姿で散歩する。
みんな少しの間こちら側にいるだけだから、好きなように振る舞っていい。
その絵描きさんに天狗の話をきいた。
「ぼくが若かったころ天狗に連れさられていく女人をみたことがある」彼は言った。
両足を形の見えない手にわしずかみにされて、つり下げられたまま空中を山の彼方に運ばれていった。
着物の裾がまくれてお尻が丸出しになって、女は泣き叫んでいたけれど、
ぼくらには助けようがなかった。彼女がどうしたかって? 
数日後に塩山のほうの畑で見つかったという話だ。
なにか天狗に対して罰当たりなことをしたんだろうね。
このあたりは天狗の領地で、ぼくらは住まわせてもらっているだけだから、仕方がないね。
それから彼は天狗の止まり木を切り倒したために若死にした炭焼きの話もしてくれた。
昔話というものは生命(いのち)のバーゲンセールみたいだ。(『天狗と天皇』を参照)


<子天狗の話> 
いつ子天狗が来てもいいように水羊羮を買っておいた。
彼は焚き火の前でプラスチック容器にはいった水羊羮を食べている。背中には赤いランドセル。 
「学校へ行ったのか?」ぼくは訊く。「いや、学校には行かないんだ」
「えっ、じゃあ、どうやって勉強しているの?」「寺子屋があるよ。友だちもいるんだ」
「先生は?」「先生もいる。じいさん天狗でね、すぐ怒る、おっかないんだ」
「へぇー、で、寺子屋ってどこにあるの?」
「三石(みついし)ってバス停があるだろ、あのずーっと奥の方だよ」「ふーん」
たぶん人間の地理とはべつに天狗たちの地図というものがあるんだろう。
子天狗が忍者のように梢をわたっていく様子を想像すると、彼がいっそう可愛くみえた。
(子天狗は丸玉のなかからでてきたのかも?)

| 過ぎてゆく日々のこと | comments(0) | trackbacks(0) | posted by YK
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