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天狗との会話、水晶は地下深くの空洞で結晶する 10:14
水晶ポイント
<子天狗の話> 
「ほらっ」と言って、玄太が水晶のポイントを3本さしだす。
7、8センチの大きさで太さが3センチほど。ポイントにはダメージがなく垂面もくっきりとしている。
2本には、角閃石だかトルマリンだかの針状結晶が内包されている。
「きれいな水晶だ。どうしたの?」「おとうといっしょに水晶掘りに行ってきた」
「へっえ、すごいな、塩山じゃあ、いまでもこんなに立派な水晶が採れるの?」
「よく塩山だってわかるね」
「うん、この針みたいなものが入ったのはススキ入り水晶といって、このあたりでは塩山の特産なんだ」
「おとうは人間たちが知らない場所だといっていた。水晶のある場所って、
こいうふうに目をすがめて忍びよりすると白く光って見えるんだよ」玄太は顎をあげ眼を半眼にする。
「おまんじゅうみたいに白い光が盛り上がるんだ。きれいでね。その下を掘ると水晶がある」
そうか、天狗の子供にはパワーが見えるらしい。その様子は蜂が紫外線を見えるのと似ているんだろう。


ルチルクォーツ勾玉
<子天狗の話>
「この中にはススキが入っているの?」玄太がいう。
「いやいや、ススキのように見えるっていうだけで、本物のススキが入っているわけじゃない」
「じゃあ、何が入っているの?」
「塩山のススキ入りはふつうはトルマリンといわれている。
植物や動物がいない地下深くで結晶するんだ。しかも大昔に」「どうやって?」
「うーん、説明するのが難しいよ。コップに塩水を入れてそのなかで岩塩が結晶するという
実験をしたことがあるかい?」「ない」
「そうか。霜柱があるだろ、あれは水が結晶して氷になったものだ」「うん」
「同じように水晶はケイ酸という物質が、ケイ酸分をたくさん含んだ熱い水のなかで結晶することでできる」
「ふーん、で、結晶って?」
「ここらにある木の机や陶器のコップや石ころや草や、
そういうモノはみんな基本的な物質が集まってできている。
そういう基本的な物質のことを分子とか原子という。
分子には同じものが手を取り合って集まるという習性があって、そうしてできたものが結晶なんだ」
 (写真はルチル入り丸玉、ルチルは酸化チタンの結晶)015


<子天狗の話>
「へーえ、水晶はそのケイ酸というものの結晶なんだ」「そのとおり」
「じゃあなんでススキが入るの?」
「おまえの質問は鋭いね。いろいろな分子があって結晶を始めるには地下の空間にたまった熱水、
まあ、ガスの場合もあるけど、熱水の分子の濃度や水温、圧力が影響する。
それぞれの鉱物が結晶化するための熱や圧力が決まっているんだ。
熱水のなかで最初にトルマリンが針状の結晶を成長させるとするよね。
そのあと熱水の温度が下がるなどして水晶が結晶を始めると、
水晶はトルマリンを取り込んで結晶を成長させるというわけだ。
いまでは水晶は土砂に埋もれているから土の中でできたみたいだけれど、
もとは地下深くの空洞にたまった、とても熱い水の中でできるんだ。
長い年月のうちに地表近くへと持ち上げられてきて、人間に発見されるというわけだよ」
「これがそれ」と玄太はいって、自分で採集してきた水晶を見る。しげしげと見つめる。
「玄太っていくつだ?」ぼくは聞く。
「人間でいうと20歳くらいかな。天狗はゆっくり成長して長生きするんだ」17-1
| 過ぎてゆく日々のこと | comments(0) | trackbacks(0) | posted by YK
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