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<鉄鉱石のイロハ> 磁鉄鉱・赤鉄鉱・黄鉄鉱、その1  11:28
マグネタイト
<鉄鉱石のイロハ> 
先日のヒヒイロガネついでに鉄鉱石の話。鉄の歴史に興味を抱いて、
他の一つは生物が鉱物を作るバイオ・ミネラルへの関心もあって、
マグネタイト(磁鉄鉱)・ヘマタイト(赤鉄鉱)・パイライト(黄鉄鉱)・リモナイト(褐鉄鉱)
などの標本を集めてきた。でもこれらの鉱物は背景の物語を知っていないと、
薄汚くて重いだけで、おもしろくもなんともない。
鉄は地表のどこにでもあって、たとえば近くの公園の砂場に磁石を持っていけば
容易に砂鉄を採集できる。磁石に付く鉄は磁性を帯びていて磁鉄鉱とよばれている。
(通常の黄鉄鉱や赤鉄鉱は磁石を引き寄せない)。
地殻深くでマグマがゆっくりと冷え固まって火成岩ができる。
磁鉄鉱は火成岩に含まれていて、これら岩石が風化して砂になるとき、磁鉄鉱は砂鉄になる。
鉄は比重が重いので川の蛇行や海流のせいで一か所に集められやすい。
地質学的な時間のなかで砂鉄が岩に戻っていくということもあるんだろう。
写真はひとまず磁鉄鉱の結晶。黄鉄鉱が六面体になるのに対して磁鉄鉱はピラミッドを上下に
重ねた形、スピネルと同様の8面体になる。ヘマタイトの結晶はアイアンローズとよんで
花弁状に発達することがある。鉱物ではちょっとの違いが大きな差になる。


天鉄(餅鉄)
<鉄鉱石のイロハ> 
日本の鉄の歴史は、自国で鉄を生産できるようになって以来、ずーっと砂鉄が中心で、
鉄鉱石からの製鉄は例外的存在だった。江戸時代にタタラという足踏み式のフイゴが発明されて、
製鉄はタタラ吹き一辺倒になった。
明治維新を契機に南蛮式の製鉄技術が入ってきて、岩塊状の磁鉄鉱や他の鉄鉱石も
使用されるようになった。磁鉄鉱の鉱脈が崩れて、鉱石が川流れしたものを餅鉄とよんでいる。
川で擦られて丸まり、形状や肌合いが丸めた餅に似るからという。
前述したように同じものが新疆ウイグル自治区でも採集されていて天鉄という。
川は長い年月の間に流路を変える。もとの河原や川底が荒野になる。
そうした場所に転がっている餅鉄は、見た目も重さも隕石に酷似している。
違いは切断して比べればわかる。
以前に天鉄を数十キロ購入して、これで勾玉を作ったら凄いだろうと、
香港の制作会社に制作を依頼した。古びた大根みたいにスがたくさん入っていて、
これでは大きな勾玉はカットできないと教えられて、計画が頓挫した事がある。
天鉄はパワーストーンとしては大きな価値がある。
写真は新疆ウイグル自治区の天鉄。6-20-1


ヘマタイト
<鉄鉱石のイロハ> 
ヘマタイト生成の由来を知ると、人に一生があるように地球にも星としての一生がある
ことがわかって感激してしまう。マグネタイト(磁鉄鉱)はおもにマグマに由来するが、
ヘマタイト(赤鉄鉱)は海水中に溶けていた鉄分(鉄イオン)に由来する。
おおまかに二十数億年前、地球は酸素の少ない惑星で、酸素呼吸する生物は皆無だった。
そこに炭酸ガスを吸って酸素を出すシアノバクテリア(藍藻類)という微生物が現われた。
何億年もかけてこのバクテリアは増殖に増殖を重ねて、地球を酸素の多い惑星に変えていった。
海水中の鉄イオンは酸化された。水より重い酸化鉄は海底に積もり、渚に打ち寄せられて、
ヘマタイトの地層を形成していった。
シアノバクテリアは、人類進化の引き金になったのと、人類に鉄を与えたのと、
二重の意味で人類の恩人だ。この微生物は粘液を出す性質があって、
海岸や遠浅の海で砂をからめとって塚を作る。鉱物愛好家にはストロマトライトの名で知られている。
写真はヘマタイト繊維状結晶 6-20-1

| 日本翡翠情報センター | comments(0) | - | posted by YK
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