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<鉄鉱石のイロハ> 磁鉄鉱・黄鉄鉱・褐鉄鉱、その2  10:12
パイライト
<鉄鉱石のイロハ> 
マグネタイト(磁鉄鉱)は化学組成がFeFe2 O4(鉄+鉄+酸素)、
ヘマタイト(赤鉄鉱)はFe2 O3(鉄+酸素)、両者が酸化鉄であることがわかる。
高温で酸素を分離させれば還元されて鉄が取れる道理だ。
酸素を硫黄と置き換えるとFeS2となって、鉱物名がパイライト(黄鉄鉱)。
山師初心者が金と間違えやすい色合いをしているので「アホの金」とよばれたという。
低品位のパイライトのなかには硫黄分が硫酸化したものがあって、
紙箱に保存すると紙箱がボロボロになる。
趣味の範囲ではパイライトは火打ち石になる。乾燥させた苔や、灸に使うモグサを用意して、
パイライトとメノウやジャスパーを叩き合わせて飛んだ火花を受ける。
大急ぎでもぐさに火を移すことで、火が起こせる。
パイライトの中にはエッジの鋭い直方体のものがある。
まるで工業製品のようで不思議なことこの上ない。
写真はキュービック・パイライト(直方体結晶) 3-20-2、


リモナイト
<鉄鉱石のイロハ> 
褐鉄鉱(リモナイト)は鉱物学的には針鉄鉱(ゲーサイト)や鱗鉄鉱(レピドクロサイト)の
集合体という。組成は酸化鉄に水酸基が加わった形。
褐鉄鉱のなかには、鉄分を代謝するバクテリアがつくるものもあることに、大きな関心がある。
このバクテリアはエネルギー生成に用いた残りの鉄分で自分の外殻を作る。
ひとつひとつは細菌サイズでもたくさんが積もれば目に見える形になる。
植物の根の回りに筒状に発達したり、泥を囲むようにボール状に発達したり、
ときにはオブジェのような構造物となる。
筒状のものは高師小僧(主要産地の愛知県豊橋市高師ケ原に由来する)と呼ばれ、
ボール状のものは、鳴る石、鈴石、壺石という。
これらの多くは産地で天然記念物扱いされている。
鳴る石の内部の粘土は漢方では「禹余糧」とよばれ、万病に効く鉱物薬とされてきた。
岐阜県土岐市近辺で採れる壺石は、小石が接合されて礫岩状になっている。
どろどろの粘土のなかで長年月かけて褐鉄鉱が発達すると、
人為的な構造物のような形状になるものもある。写真は高師小僧、6-20-1


リモナイト
<鉄鉱石のイロハ> 
褐鉄鉱はどこにでもある。油膜が浮いたように見える沼や、
もっと身近では古くなった水道管の中で、いまも生産されている。
褐鉄鉱は陶器の原料に含まれてもいる。
褐鉄鉱を含む黄赤色の粘土を古くは「はに(埴)・はにゅう(埴生)」とよんできた。
埴輪(はにわ)の埴で、埴生の宿は、元来は埴生の土間、板張りの床のない堀っ建て小屋をいった。
それが転じて貧しい家を意味するようになった。
褐鉄鉱は低温でも灼熱させられる。赤く灼熱したものを鍛練すれば、
たたら製鉄よりはるかに低温で鉄器を作れるという意見もあるが、
考古学の本流からは無視されている。
鉄はさびやすいので、遺跡が残りにくいということがあるようだ。
鉄がいつから日本で製鉄されるようになったか、
どのような方法で製鉄されたかは不明の部分が多いようだ。
人間だってアパタイトを主成分に骨を作るからそんなに驚くことはないのだが、
バクテリアたちがひっそりと鉱物を作っているというのは、自分流に魅力的な風景と思っている。
写真は泥を囲んで発達した褐鉄鉱。
| 日本翡翠情報センター | comments(0) | - | posted by YK
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